よい研修の条件はすでに経験の中にある!?
6/27(土)に、愛知医科大学看護実践研究センター認定看護師研究会で講演をさせていただきました。
センターでは、認定看護師教育をおこなっていて「救急看護」と「感染看護」の2分野の認定看護師を育成しているそうです。
こちらの修了生の皆さんが立ち上げた研究会の会長であり、京都医療センターで救急看護の認定看護師として働いていらっしゃる清水克彦さんにお声かけいただき、今回このような貴重な機会をいただきました。
今回いただきましたテーマは、「研修をどのようにつくっていくか」ということでした。
認定看護師の皆さまは、忙しい業務の中で、専門性を活かした研修の企画、運営を院内で任されることが多く、悩みも多いとのことでした。
講演では、研修をつくるプロセスについて、ワークをいくつか入れながら参加者の皆さんと「明日の実践につながる研修をどのようにつくっていくか」ということについて一緒に考えていきました。
講演の中で一番印象的だったことは、「よい研修の条件」ということについて、実は皆さんすでに多くのことを知っているのだということです。
ワークの一つとして、これまで自分が参加した研修で「よかったと感じた研修」と「よくなかったと感じた研修」それぞれの共通点について話し合っていただきましたが、よかった研修はそのまま「よい研修」の条件になりますし、「よくなかった研修」は裏を返せば「よい研修」にするための条件になるわけです。
よかった研修に共通する特徴として、会場からは「自分が知りたいことを知ることができた」や「ワークがインタラクティブだった」、「ちゃんと振り返りがある」などなど、本当に多くの特徴がご経験からだされました。
また、よくなかった研修に共通する特徴も「時間通りに終わらない」、「講師の第一印象が悪い」などなど、目の前でうかがうと「今日は大丈夫かな」とドキッとするようなものもあがりました。
講演の中では、どうやって実践につながっていく研修をつくっていくかをプロセスを追って説明させていただいたのですが、
その中で大事といわれていること、つまり
・「ニーズ」や「課題」を明確にする
・参加型のコンテンツにする
・リフレクションをきちんとする
・時間通りに終わる
・講師の姿勢や身なりもきちんとする
などなどは、会場の皆さんの経験からでた「よい研修の条件」とほぼほぼ同じでした。
よい研修をどうやってつくろう、と悩んだ時には、本などを参考にすることも大事ですが、自分の出会った「よい研修」や「よくない研修」にまず立ち返ってみることが「よい研修」をつくるための近道かもしれませんね。
気づいていないだけで、実は自分の中に悩みを解決する種のようなものをたくさん持っているのだと思います。
そして、これは私の経験上ですが、「よい研修」や「よいワークショップ」、「よい講義」にいかに自分が参加しているかがその自分の中の資産を増やしていくことにつながると思います。
今回の講演には、「救急看護」と「感染看護」の認定看護師さんを中心に60名ほどの皆さまにお越しいただきました。
激務の中で、研修を開発することは本当に大変なことだと思いますが、今回の講演が少しでも参加者の皆さまの実践につながっていくといいな、と願いつつきれいな夕日を見ながら新幹線で帰途につきました。
階段教室ということもあり、インタラクティブに進めていくことが難しい部分もありましたが、現場の第一線で働く皆さんの生の声をうかがうことができ、私にとっても貴重な学びの体験となりました。
参加者の皆さま、そしてお声をかけてくださった清水さまにこの場をお借りしまして、御礼申し上げます。
本当にありがとうございました!